バイクバイク盗難は「昔の話」ではありません。都市部でも、大分でも、今あらためて考えたいこと

バイクの盗難というと、昔は「原付をちょっと乗り回すために盗む」というイメージが強かったかもしれません。

しかし、今のバイク盗難はそれだけではありません。

原付やスクーターのように、足代わりに盗まれてしまうケースもあります。
一方で、250cc以上の人気車、大型バイク、旧車、希少車、高額車が、転売目的・部品取り目的・輸出目的のような形で狙われてしまうこともあります。

さらに、車体ごと盗まれなくても、部品だけを盗まれるという被害もあります。

まず大前提として、盗難は盗む側が悪い行為です。
どれだけ気をつけていても、狙われてしまうことはあります。

この記事は、被害に遭われた方の責任を問うものではありません。
これから少しでも被害を減らすために、今わかる情報と、できる備えを共有するものとして書いています。

全国では、バイク盗難がまた増えています

警察庁の資料によると、2025年のオートバイ盗は1万4,552件。
前年比で2,911件増、25.0%増加しています。

少し前までは、バイク盗難は長期的には減少傾向でした。
しかし近年は、また増加傾向に転じています。

つまり、
「最近は盗まれにくくなった」ではなく、
「一度減ったものが、また増えてきている」

というのが現状です。

これは、バイクに乗る人にとって、あらためて考えておきたい数字だと思います。

2024年の全国データでは、キーなしでも多く盗まれています

警察庁の2024年統計では、オートバイ盗の認知件数は1万1,641件。
その内訳は、

  • キーあり:4,377件
  • キーなし:7,264件

となっています。

ここでいう「キーあり」とは、エンジンキーがメインスイッチに差し込まれていたり、車両の周辺に放置されていたものを指します。

もちろん、キーを付けたまま離れないことは、とても大切です。
しかし同時に、キーなしでもこれだけ盗まれているということは、キーを抜くだけでは十分とは言い切れないということでもあります。

ハンドルロックだけ。
純正キーだけ。
家の前だから大丈夫。
少しの時間だから大丈夫。

そう思ってしまう場面は、誰にでもあると思います。
ただ、今の盗難状況を見ると、もう一段階の備えも考えておきたいところです。

排気量別では、50cc超のほうがリスクは高い

警察庁の2024年データでは、排気量別の被害品数は次のようになっています。

  • 50cc以下:4,695台
  • 50cc超:6,609台

さらに、千台当たりの被害数で見ると、

  • 50cc以下:0.8
  • 50cc超:1.6

となっています。

つまり、単純な台数だけでなく、保有台数あたりで見ても、50ccを超えるバイクのほうが盗難リスクは高いということです。

昔の感覚では、「盗まれるのは原付が多い」という印象があるかもしれません。
でも今は、250cc、400cc、大型バイク、人気車、旧車、希少車も狙われる可能性があります。

特に、車両価格が高いバイク、部品単体でも価値があるバイク、海外でも人気があるバイクは、オーナーの使い方に関係なく、車両そのものの価値から狙われてしまうことがあります。

都市部で多いのは、集合住宅や駐輪場での盗難

都市部では、バイクが密集して置かれている場所が多くなります。

マンション、アパート、月極駐輪場、駅周辺、商業施設、道路沿いの駐輪スペース。
こうした場所は、人目があるようで、実は管理が薄いこともあります。

警察庁の2024年データでは、キーなしのオートバイ盗7,264件のうち、住宅での発生が4,908件。
その中でも、4階建以上の共同住宅が2,217件、3階建以下の共同住宅が1,621件となっています。

これはかなり重要な数字です。

都市部では、駐輪場にたくさんのバイクがあります。
犯人からすれば、下見しやすい。
車種を選びやすい。
夜間に作業していても、住人なのか、業者なのか、外から見てわかりにくい。

そのため、都市部では特に、
「人目がある場所だから大丈夫」とは言い切れない
という面があります。

大分のような地方でも、バイク盗難は増えています

では、大分のような地方なら安心かというと、そうとも言えません。

大分県内では、2025年に確認された刑法犯が4,151件で、前年より709件増加。
9年ぶりに4千件台となり、その要因として自転車やバイクの盗難、特殊詐欺の増加が挙げられています。

さらに、大分県内の2025年の窃盗手口を見ると、

  • 自転車盗:852件
  • 万引:627件
  • バイク盗:168件
  • 住宅侵入:129件

となっています。
バイク盗は前年より67件増加しています。

大分では、都市部のような大規模な盗難組織が常に動いているとは限らないかもしれません。
しかし、地方には地方の注意点があります。

家の前、カーポート、アパートの駐輪場など、普段から見慣れた場所ほど、安心してしまうことがあります。
しかし最近の数字を見ると、地方でも盗難は決して他人事ではありません。

地方の場合、夜になると人通りが少なくなります。
住宅街でも静かです。
道路からバイクが見える場所に置いてあれば、毎日同じ場所にあることもわかります。

都市部とは違う形で、
「身近な場所だからこそ、あらためて備えを考えたい」
ということです。

排気量ごとに、盗まれ方は少し違います

原付や125ccクラスでは、足代わりに盗まれてしまうケースが多いと考えられます。
キー付き、無施錠、ハンドルロックなし、自宅前やコンビニ、駅、学校周辺などでの盗難です。

250ccクラスになると、通勤・通学・趣味の両方で人気があり、軽くて動かしやすい車両も多いため、持ち去りやすさと商品価値の両方があります。

400cc以上や大型バイクになると、件数としては原付ほど多くなくても、1台あたりの被害額が大きくなります。
人気車、旧車、スーパースポーツ、ネイキッド、限定カラー、カスタム車などは、部品としても価値があります。

小さいバイクは、短時間の持ち去りに注意。
大きいバイクや人気車は、車両そのものの価値から狙われる可能性に注意。

それぞれ違う形で、備えを考えておきたいところです。

車体だけでなく、部品だけを盗まれることもあります

バイク盗難というと、車体ごと持っていかれるイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、部品だけを狙われる盗難もあります。

警察統計では「部品ねらい」という分類があります。
これは、自動車、オートバイ、自転車などに取り付けてある部品や付属品を盗む手口のことです。

2024年の全国の「部品ねらい」認知件数は1万4,724件。
そのうち、ナンバープレートの被害件数は6,355件で、部品ねらい全体の43.2%を占めています。

さらに2025年も、部品ねらいは1万5,216件、そのうちナンバープレート被害は6,043件。
割合は39.7%と、依然として高い水準です。

つまり、部品盗難の中でも、ナンバープレートはかなり狙われやすい部品だということです。

盗まれたナンバープレートは、別の盗難車両に付けられたり、他の犯罪に悪用される可能性があります。
そのため、ナンバープレートについても「外されにくくする」対策は大切です。

バイクで特に気をつけたい部品

バイクの場合、車体ごと盗まれなくても、次のようなものは注意が必要です。

  • ナンバープレート
  • ヘルメット
  • バッグ・ケース類
  • ETC車載器
  • スマホホルダー
  • ミラー
  • レバー
  • 外装パーツ
  • 社外マフラー
  • 高価なサスペンション
  • ホイール
  • カスタムパーツ

特に社外マフラーや高価なサスペンション、外装パーツ、ホイールなどは、部品単体でも価値があります。
車体を盗むより、部品だけ外すほうが短時間で済む場合もあります。

また、ツーリング先や商業施設でありがちなのが、ヘルメットやバッグ、グローブなどの置きっぱなしです。

「少しの時間だから」
「人目があるから」
と思ってしまう場面もありますが、持っていかれる時は一瞬です。

車体を盗まれなかったとしても、部品を盗られれば修理費もかかりますし、乗れなくなることもあります。
何より、自分の大切なバイクに手を出されたというショックは大きいと思います。

では、バイク盗難は防げるのか?

正直に言えば、100%防ぐことはできません。

本気で狙われた高額車を、複数人で来て、車に積んで持っていくような盗難であれば、ロックをしていても完全には防げないことがあります。

だからこそ、盗難対策の目的は、
絶対に盗まれない魔法の鍵を探すことではありません。

対策を重ねることで、盗難にかかる時間やリスクを少しでも増やし、被害の可能性を下げる。
そのための備えだと思います。

時間がかかる。
音が出る。
顔が映る。
場所が追跡される。
ロックが複数ある。
車種が見えない。
持ち上げにくい。
切るのに手間がかかる。
部品も簡単には外せない。

こういう要素を重ねることで、被害に遭う可能性を少しでも下げていくことができます。

最低限やっておきたい対策

まず、基本として考えたいのは次のような対策です。

  • 短時間でもキーを抜く
  • ハンドルロックをする
  • 補助ロックを使う
  • バイクカバーをかける
  • 防犯性の高い駐輪場を選ぶ
  • 二輪車防犯登録をする
  • ナンバープレートに盗難防止ボルトを使う

警視庁も、短時間でもハンドルロックをしてキーを抜くこと、防犯性の高い補助錠、盗難防止装置、バイクカバー、防犯性の高い駐輪場の利用などを対策として挙げています。

特に250cc以上、大型バイク、人気車、高額車、カスタム車は、もう一段強い対策も考えておきたいところです。

対策は「何重にもする」ことが大切です

現実的には、次のような組み合わせが有効だと思います。

バイクカバー
+ 太いチェーンロック
+ 地球ロック
+ アラーム付きディスクロック
+ センサーライト
+ 防犯カメラ
+ GPSトラッカー
+ 盗難保険

ここまでやれば絶対に大丈夫、という意味ではありません。
しかし、複数の対策を重ねることで、盗難にかかる手間や時間を増やすことができます。

バイクカバーで車種を見せない。
太いチェーンで簡単に動かせなくする。
地球ロックで車体ごと持ち上げにくくする。
アラームで音を出す。
ライトで目立たせる。
カメラで記録を残す。
GPSで逃走後も追える可能性を残す。
保険で最悪の損害に備える。

強いロックを1個だけ付けるより、
いくつかの対策を組み合わせること
が大事だと思います。

地球ロックはかなり重要です

ロックをホイールにかけるだけでは、複数人で持ち上げられると弱い場合があります。

できれば、柱、アンカー、鉄骨、専用の固定物などに、車体をつなぐ。
いわゆる地球ロックです。

特に大型バイクや高額車は、これがあるかないかで大きく違います。

可能であれば、後輪側、もしくはフレームに近い部分に通す。
前輪だけだと、最悪ホイールを外される可能性もあります。

「動かせない」だけでなく、
「持っていきにくい」状態にする
という考え方が大切です。

部品盗難には「外しにくくする・見えにくくする・触りにくくする」

部品盗難対策は、車体盗難とは少し考え方が違います。

車体盗難は「動かせなくする」ことが大事ですが、部品盗難は、

外しにくくする。
見えにくくする。
触りにくくする。

この3つが大事です。

具体的には、

  • ナンバープレートに盗難防止ボルトを使う
  • ヘルメットは車体に掛けっぱなしにしない
  • バッグ類はできるだけ持ち歩く
  • ETCやドラレコなどは外から見えにくい場所に取り付ける
  • 社外マフラーや高価な部品は、特殊ボルトやゆるみ止めを検討する
  • バイクカバーで車種やカスタム内容を見せない
  • 防犯カメラやセンサーライトの範囲に置く
  • 長期保管時は、屋内や見えにくい場所に移す

バイクカバーも、ここで効いてきます。
車体を隠すだけでなく、どんなマフラーが付いているのか、どんなホイールなのか、どんなカスタムをしているのかを見せない効果があります。

バイクカバーは、雨よけではなく防犯にも役立ちます

バイクカバーは、かなり大事です。

カバーをかけると、外から見て、

車種がわからない。
ロックの数がわからない。
アラームがあるかわからない。
どんなカスタム部品が付いているかわからない。

こうなります。

もちろん、カバーだけで盗難を防げるわけではありません。
しかし、高額車や限定車、カスタム車は、見えているだけで下見対象になってしまうことがあります。

カバーは、雨よけだけでなく、
盗難の対象として目立たせないための対策
としても意味があると思います。

SNSにも注意が必要です

今の時代、SNSも気をつけたいところです。

自宅前で撮った写真。
ガレージの中がわかる写真。
ナンバーが見える写真。
背景から場所が推測できる写真。
いつも停めている場所がわかる投稿。
高価なカスタムパーツがよく見える写真。

こうしたものは、悪意のある人から見れば情報になります。

もちろん、バイクを楽しむ投稿が悪いわけではありません。
ただ、高額車、旧車、希少車、限定車、カスタム車などは、保管場所がわかるような写真は避けたほうが安全です。

大分だからこそ、気をつけたいこと

大分のような地方では、都市部ほど盗難に対する警戒心が高くない場合があります。

しかし、2025年の大分県内ではバイク盗が168件確認され、前年より67件増えています。
これは決して他人事ではありません。

地方では、家の前、カーポート、アパートの駐輪場、職場の敷地内など、バイクが道路から見える場所に置かれていることも多いです。

「ここは大分だから大丈夫」と思いたくなります。
でも数字を見ると、地方でも盗難は起きています。

だからこそ、必要以上に怖がるのではなく、
今できる備えを少しずつ増やしていくこと
が大切だと思います。

まとめ:盗難対策は、愛車を守るために今できる備えです

バイク盗難は、もちろん盗む側が悪いです。
どれだけ対策をしていても、狙われてしまうことはあります。

だからこそ、盗難対策は「盗まれた人の責任」を問うものではありません。
大切なのは、これから少しでも被害を減らすために、今できる備えを重ねておくことだと思います。

バイクは、車に比べて軽く、押せて、積めて、分解もできます。
さらに、車体ごと盗まれなくても、部品だけを盗まれることもあります。

だからこそ、カギを抜く、ロックを増やす、カバーをかける、地球ロックをする、音が出るものを使う、防犯カメラやGPSを考える。
ナンバープレートや高価な部品は、簡単に外されにくいようにする。
ヘルメットやバッグは、置きっぱなしにしない。

そうした小さな対策の積み重ねが、被害を減らすことにつながるかもしれません。

盗難対策は、絶対に盗まれない魔法の鍵を探すことではありません。

見せない。
動かせない。
外しにくい。
音が出る。
記録が残る。
追跡できる。
保険で備える。

この何層もの対策で、少しでも盗まれる確率を下げる。
そして、万が一の被害を少しでも小さくする。

大切なバイクを失うつらさを、少しでも減らすために。
できる備えから考えていただければと思います。

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