
IMUが必要なわけは、ライディングの楽しさを大きくするから
バイクが楽しいと感じるためには、エンジンのレスポンスの良さやブレーキのコントロール性が重要です。しかし、その限界を楽しもうとすると、バイクの挙動が乱れたり、最悪の場合には転倒を招くことがあります。
上級ライダーであればその危険を察知してコントロールできる場合もありますが、私達普通のライダーには難しく、転倒を繰り返してしまう可能性があります。
プロライダーならまだしも、一般のライダーが「転んで体で覚えろ」といった方法で何度も怪我をしていては、バイクという趣味を続けるのは難しくなります。
パワフルなバイクは、美味しいけれど強いお酒のようなものです。調子に乗りすぎると、やがて大きな失敗をするかもしれません。
では、排気量が小さくパワーの少ないバイクでゆっくり走ることを楽しむしかないのでしょうか?
ここで「IMU」が大きな役割を果たします。IMUを搭載したバイクは、控えめなライディングに甘んじることなく、スポーツライディングの「限界」に挑戦する際にもシステムが支援してくれます。
IMU搭載車は、パワーを存分に楽しみながらも安全性をサポートします。例えるなら、美味しいけれど翌日には全く影響が残らないお酒のような存在と言えるでしょう。
そもそもIMUとは何か?
IMUは「Inertial Measurement Unit」の略で、日本語では「慣性計測ユニット」と呼ばれます。加速度センサーとジャイロセンサーを組み合わせた装置で、バイクの挙動を経時的に計測することができます。
ややこしく感じられる方もいるかもしれませんが、簡単に言うと「バイクがどういう挙動をしているか」を計測して、それに対応した制御を行うための基本情報を提供するしくみです。

ヤマハのIMU搭載バイク
現在、ヤマハの下記モデルにIMUが搭載されています:
- MT-09シリーズ
- MT-09
- MT-09 SP
- MT-09 Y-AMT
- TRACER 9シリーズ
- TRACER 9 GT
- TRACER 9 GT+
- XSR900/GP
- YZF-R1シリーズ
- YZF-R1
- YZF-R1M(MT-10/SP)
IMUの機能とその解説
IMUが持つ主な機能とその解説は以下の通りです:
- 【 コーナーリングABS制御 】
- バイクの傾き角に対応してブレーキ力を最適に配分し、コーナーでも安全な制御を実現。
- ★具体例★: ワインディングロードで急なカーブに差し掛かった際、ライダーが強くブレーキをかけても車体の安定性を保ち、タイヤがロックしないように制御します。
- 【 トラクションコントロールシステム〜TCS〜 】
- 後輪がスリップしそうな場面で、エンジン出力を調整。雨天などの難しい状況で効果を発揮。
- ★具体例★: 雨の日に信号停止から発進する際、路面が滑りやすくても後輪の空転を防ぎ、スムーズな発進をサポートします。
- 【 スライド制御システム〜SCS〜 】
- スライドを検知し、事前に調整を行うことで、予期せぬ危険を回避する効果があります。
- ★具体例★: コーナー出口で急にスロットルを開けた際に後輪が滑り出しそうになった場合、IMUが検知してエンジン出力を抑えることでスリップを防ぎます。
- 【 リフト制御システム〜LIF〜 】
- 前輪のウィリーを控制し、専門コースや負荷の低い道路でも安定。
- ★具体例★: 高速道路で急加速した際、前輪が浮き上がりそうになる場面でエンジン出力を調整し、車体の安定を保ちます。
- 【 エンジンブレーキ管理〜EBM〜 】
- バランスの取れたエンジンブレーキ力を維持し、急激な減速時に発生する転倒を防ぐ。
★具体例★: 渋滞中に急ブレーキをかけた際、エンジンブレーキの強さを適切に調整し、後輪がロックするのを防ぎます。
このように様々な場面で、行き過ぎた操作をサポートしてくれます。もちろん絶対に転ばないというわけではないと思いますが、少し頑張って走ってもなんとなく走れてしまう。あれ、自分うまくなったんじゃない!?と感じるような場面が間違いなく増えるはずです。
その他メーカーとの比較
ヤマハのIMU搭載モデルは、その細やかな制御能力において他社製品と比較しても優位性が高いと評価されています。
- 【 制御アルゴリズムの進化 】
- ヤマハのIMUは6軸情報をリアルタイムに解析し、具体的な場面に対応した動作を自動で実現する能力が高い。
- 【 コーナーリング制御の優秀性 】
- 他社のシステムに比較して、大きく傾けても自然な制御を実現。
- 【 ライダーのスキル向上を自然に支援する 】
- 自然にシステムが参入し、ライダーのスキルを上達させやすくします。

IMUによる長期的なライダーの安全と楽しみ
IMUは、MotoGPでのレースで磨かれた技術といいます。しかし上級ライダーだけではなく、普通のライダーにとってもライディングの楽しみを安全に担保します。
- 【 予期せぬ挙動を安定化 】
- 一般的なライダーでも、スリルを追求しながらも安全に挑戦できる環境が実現。
- 【 転倒を防ぐ 】
- 上級ライダーでなくても、システムが援助することで、不幸な事故の危険を減少。
- 【 続けられる楽しさ 】
- ライディングが楽しく、安全であれば続ける意欲が湧きます。IMUが支援することで、転倒や事故による不安が軽減され、ライダーは安心して長く楽しむことができます。
プロを目指すつもりなら、何度大転倒をしようとも怖いとか痛いとか言ってられないですが、私たちはそうではないはず。どんなに気分よく走らせても最後のところで少し助けてくれるシステムの存在は、結果に大きな違いを残します。
多くの人が「自分は飛ばすつもりはない」と言ってバイクに乗り始めますが、どこまでが安全で、どこからが危険かが非常にわかりにくいのがバイクというもの。だからこそバイクを楽しむならIMUという装備が重要になってくるのです。

結論
ヤマハのIMU搭載バイクは、最新の技術でライダーの安全性を高めるだけでなく、ライディングの楽しみも向上させます。
近年自動車業界で進化した安全運転支援技術とは、自動運転など基本走らせて楽しいといったものとは無縁であると思いますが、ヤマハはこれを走らせて楽しいスポーツライディングの世界に持ち込み、「楽しい」を「安全に」を実現しつつあります。
バイクのだいご味とはそのパワー、レスポンスをしっかりと路面に伝えて走らせること。初心者から上級者まで、すべてのライダーにとって大きな支えとなるIMUは、バイクをより安全でエキサイティングなものにしてくれる存在です。IMUがもたらす恩恵をぜひ体感し、ライディングを楽しんでください。