ニューモデルYZ250Fに乗ってみました

今だから「競技用レーサー」が必要では

ここ10年自動車業界は電動化などの波にさらされ、バイクも例外なく排気ガス規制などの影響を今後色濃く受けることになります。

規制規制規制・・・そんな中でいわゆるコンペモデル(競技専用レーサー)は、バイク本来の速さとパワーを体感できる規制を受けにくい乗り物として、重要性を増しているといえるかもしれません。

そんなコンペモデルのオフロード「YZ250F(2021)」を乗る機会がありました。そこで現在の競技専用モデルについて、特徴的な部分だけ少しご紹介したいと思います!

ちなみにナンバー付車両兼用でなく純粋な競技用レーサーが販売されているのはヤマハではモトクロス車のみ、それがエンデューロやモタードなどに転用されて活躍しています。

現代の4サイクルFIは抜群の安定感

YZ250Fは4サイクルのFI(フュ-エルインジェクション)モデル、2サイクルのYZのようにキャブレタ-ではありませんので、燃料ポンプで加圧したガソリンをプログラムされた噴射でエンジンを動かします。

実際にエンジンをかけてみると、エンジンの始動性、アイドリングの安定感は抜群。実によく制御されたエンジンだなという気がします。

音量も厳しい規制があるため、ナンバー付車より大きいといってもそれほどではありません。YZ250Fは後方排気という特異なレイアウト。エアクリーナーがタンク前方にあるため、吸気音も耳に届きます。

ちなみに2021年モデルと2022年モデルの差はホイールやタイヤサイズなどが主で、エンジンなどについてはあまり大きな変化はありません。

セルスタートはすごく楽

以前はYZ250Fのキックスタ-トによりエンジン始動をしてました。

しかし4サイクルエンジンは走行中に転倒などによりエンストすると、ホットスタート状態になり、なかなかエンジンがかからずに苦戦した記憶がたくさんあります。

その点、セルスタートであれば素早く、しかも楽に再スタートすることができます。

2サイクルであれば圧縮はそれほどでもないため、キックでもよいですが、4ストはセルが体力節約のために欲しいですね。

リチウムバッテリーはスリープ解除に注意

セルモーターを動かすにあたり、リチウムイオンバッテリーが搭載されているのですが、実はこのバッテリー新品の時はスリープ状態になっていて、そのまま充電器(リチウム専用充電器)につないでも反応せず、充電できません。

なのでブースターケーブルなどで他のバッテリー(正常電圧のもの)とつなぎ、一度「スリープを解除」してから充電をする必要があります。

一度スリ-プが解除されてからは通常と同じ取り扱いで大丈夫です。このYZにはメインスイッチは存在しないのでバッテリーはつないだままとなります。

CCUでスマートフォン連携

なおこのバイクにはスマ-トフォンのアプリと通信してマップのセッテイングをする機能があります。

以前はカプラで専用のチューナーを接続して操作していたのですが、左サイドカバー内にCCU(コミュニケ-ションコントロ-ルユニット)があって、Wifiで接続できます。ちなみにこれはYZF-R1Mと同じシステムですね。

Wi-Fiで接続するためにはCCUに記載されたパスワードを接続時に入力しないといけません。接続できるとアプリにもともと入っている3つのマップをバイクに移すことができます。

エンジン始動すると、2分間はスマホが接続できるのでその間に調整を行います。

FIは気温、標高などに左右されずわかりやすい

「ハ-ドヒッテイング」はパワフルなモード、ライナ-トルクはトルク重視、スム-スライナ-は滑りやすい路面用でしょうか

もちろん、もともと入っているもの以外にも自分でマップを作製して入れることができます。

FIは燃料の量と点火タイミング(進角/遅角)の二つの要素を調整できます。燃料の量は濃い薄いでキャブレタ-の感覚と同じでわかりやすいと思いますが、点火タイミングは火花を飛ばすタイミングが早いか遅いかを変化させます。

進角が大きければ燃料をそれだけ燃やす時間が長いのでパワーを出しやすいのですが、あまり早いとピストンが上死点に到達する前に爆発がおこるので逆回転の力がかかりやすく、最悪エンジンを壊してしまいます。

逆に遅角させるとパワーはないが高回転で伸びが期待できるといった感じです。

ちなみにこのマップ上ではなにをどういじっても壊れることはないとメーカーは話していますので心配はありません.

好みや技術レベルに応じた調整が幅広く可能

いくつかのマップを試してみましたが、エンジンの性格はこうも変わるのかというくらいの変化がありました。

特に高回転でのパワフルさは、乗りこなせないほどのもの。これこそ「レーサー」ならではのものですね

なおコンペモデル自体がはじめての方であれば、「スム-スライナ-」をベースにアンダーパワーな感じにしておいたほうが楽に乗れることでしょう。そういう調整もできるということです。

キャブレタ-車のように気温、標高、湿度などの要素はある程度までは補正してくれるので、セッテイングはエンジン特性の部分に集中してできるのは便利ですね。

ちなみに作ったマップはバイクにふたつまで入れることができます。マップ1はハンドル左のボタンが点灯していない方、ボタンをワンプッシュして点灯させた方がマップ2になりますので、セッテイングの比較をしたり、急な天候の悪化などに対応することもできます。

競技用レーサーを体感せずにバイク人生を終わるなんて

多くの一般的なバイク乗りからすれば、コンペモデル(競技用レーサー)は少し縁遠い存在なのかもしれません。

でも速度違反などを一切気にせず、速さを追求したり、その速さを求める上で現代の最新技術を体験できることは、若いライダーの経験値をあげる上で貴重なのではないかと思います。

また年齢的にリターン世代のライダーは競技用と聞くと、もう若くないからとしり込みしてしまうのかもしれませんが、80~90年代をバイクで過ごした世代にとっては自由な競技用レーサーの世界はきっと居心地がよいはずです。

なので私たちとしては年代問わず、日ごろツーリングで使うバイクにプラスして、クローズドのサーキットで使うバイクで楽しんでいただきたい。

きっとバイクの世界が大きく広がるのではないかと思います。

興味を持ったらYSP大分にご相談を

ナンバ-付のバイクならともかく、レーサーといってもなにが必要か、どこで走ればよいか、安全に走るためにはなど、よくわからないことも多いかと思います。そういう時にはわかる人に聞くのが一番

大分であれば私たちYSP大分にお問合せいただければと思います。いきなり高額な車両を購入でなくとも、九州ではレンタルで楽しめるコースも存在します。

そうやって徐々にステップアップしてみてはいかがでしょう。

プロのレーサーを目指すわけでなくとも、バイクに乗っててよかったと思えるような体験がきっとできるのではないかと考えてます。