
~2023年モデルオーナーが感じた進化点~
先日の ブルーキャンプ で、YZ450F 2026年モデルを試乗する機会がありました。私は2023年モデルを所有しているので、オーナー目線での違いを中心に感じたことをまとめてみます。公式で発表されている変更点も交えながら紹介します。

主な変更点(公式発表より)
- 油圧クラッチ新採用
- 吸気ポート形状・燃焼室改良
- 排気系リニューアル(レゾネーター追加、レブリミット伸長)
- 新設計フレーム(剛性配分変更・軽量化)
- KYB製サスペンション改良
- ECUロック機能/パワーチューナー拡張
2023年モデルオーナー目線での比較インプレ
クラッチフィーリング
油圧クラッチは、軽いというよりワイヤーに近い自然な感覚。走行中は違和感がなく、むしろ「忘れる」ほど。
以前聞いた油圧クラッチのデメリット、「引くと軽く、戻すと重い」という癖も感じませんでした。
そして最大の利点は 走行を重ねても遊びが変化せず、フィーリングが安定する こと。これは長時間の走行やレースでは非常に重要な進化だと思います。
フレーム剛性と接地感
フロントからの突き上げが抑えられ、接地感が向上。2023年モデルで感じた「硬さ」や「接地感の薄さ」は解消されていました。
この課題は動画などで確認する限り、アメリカでもよく指摘され、アフターパーツのエンジンマウント変更などで改善を試みる動きがありましたが、2026年モデルでは フレーム自体が大きく変更 され、メーカーが根本的に対応した形になっています。
パワーフィーリング
今回の試乗はショートコース、路面は荒れて乾燥し、ほこりで滑りやすい状況でした。
それにもかかわらず、アクセルを素直に開けても暴れず、しっかり前に進んでくれる安心感。
トラクションコントロールの利き方も唐突でなく自然で、トルク感を損なう事なく加速してくれます。
2023年モデルもマッピング次第で扱いやすくなりますが、2026年モデルはさらに落ち着きがあり、標準で「扱いやすい450cc」という印象を受けました。
2023 vs 2026 比較表
| 項目 | 2023年モデル | 2026年モデル | 進化ポイント |
| クラッチ | ワイヤー式。走行で遊びが変化 | 油圧式。遊びが変化せず安定 | 長時間でも操作感が一定 |
| フレーム剛性 | 硬めで接地感が薄い。改善アフターパーツ有 | 形状変更・軽量化で接地感UP | メーカーが根本改善 |
| 吸気・燃焼系 | 標準的。低中速はマッピング依存 | 縦渦強化。低中速トルク向上 | 荒れた路面でも開けやすい |
| 排気系 | サイレンサー従来仕様 | レゾネーター追加・テールキャップ改良 | 規制対応+扱いやすさ改善 |
| サスペンション | リアショック標準仕様 | ベースバルブ拡大・ポート増加・手動アジャスター | 追従性・セッティング自由度UP |
| 電子制御 | 基本的なマッピング調整 | ECUロック、トラコン/ローンチ拡張、ラップ計測 | セキュリティ+レース機能強化 |
総評
2026年型 YZ450F は、単なるパワーアップではなく「高性能のまま扱いやすく」という方向に進化しています。
油圧クラッチによるフィーリングの安定、接地感を増した新フレーム、そして吸排気系やマッピングの最適化。
2023年モデルも十分に戦闘力がありますが、2026年モデルは「扱いやすさ」を標準装備した完成度の高い一台だと感じました。
このクラスのマシンになると、新型が出たからといって毎年買い替えられるものではありません。
ただオフロードは、乗り手の技術や体力による部分が大きい世界。楽しみとして乗るのであれば、しっかりメンテナンスをしてコンディションを保てば、数年にわたって乗り続けても極端に大きな差は感じにくいでしょう。その間に磨いた腕で十分カバーできるはずです。
一方で、すべての部品が新品であるというのは新車ならではの大きなメリット。新しいバイクは部品確保にも苦労しないと同時に、新しい世代のアフターマーケットパーツが装着できるという楽しみもあるということ、古い型のバイクは部品探しにも苦労があるものです。
さらに、現代のモトクロッサーの最新技術を盛り込んだ2026年型YZ450Fは、マッピングによる出力特性の調整もしやすく、これから数年間を楽しむ相棒としては最適解といえるかもしれません。