免許取り立ての人と一緒に走る時は注意してあげてください!

ちょっとしたバイクブームともいえる昨今、最近新たにバイクの世界へと入ってきたライダーもたくさんいると思います!
そういう方たちと一緒に走る機会は、たぶんどなたにもあると思いますが、何も考えずに走ると、そんな楽しいツーリングが暗転するケースもけっこうあります。
事故にはさまざまな要因があるのでいちがいには言えませんが、特に初心者といっしょに走る際にありがちなケースを考えて、特に気を付けたいことをまとめてみました。
(まずは下の図をご覧ください)

優しく先導してペースをつくってあげましょう

免許取り立ての場合、教習所のみで練習してきたため、直線、カーブは理解しやすい形状のものしか経験がありません。また平均速度もゆっくりしたスピードでしか慣れていないため、ツーリングでよく走るワインディングの地形やカーブの半径に慣れていないと考えるのが妥当です。
リターンライダーの場合は、加齢による反射速度の低下や体力の低下から思ったように走れないケースがあります。
長~い直線からの急カーブ、さらにアップダウン(上り下り)の地形が加わるとどのくらいの速度が適当なのかがわかりづらく、それが「読み」を誤って事故につながるパターンは多いと思います。
先導する人は、ブレーキのかけるタイミングや、どのくらいまで速度を落とすということを自分の走りで後続のライダーに伝えてあげることで、走り方を教えることができます。
先導で注意するポイント①ブレーキは長く、やさしく減速してあげましょう

初心者の方、特に教習所でしか走ったことのない方は、バイクでのスピード感覚がまだ身についていないと考えられます。
長い直線で速度がのったあと、次のカーブを曲がるにはどのくらいの減速をすればよいか、その感覚があまりないかもしれません。
スピードメーターをみれば速度がわかるじゃないか、と思うかもしれませんが、カーブはそれこそ星の数ほどある中で必要な速度はそれぞれ違いますし、メーターばかり見ている暇もまたないのです。
なので、初心者を先導するときはいつもより減速区間を長めにとってあげるのがよいと思います。なが~く、ゆる~い減速をしてあげることで十分に速度を落とすことができます。
経験者ほど、短い距離で一気に減速したがるものですが、初心者はそれができないものとして配慮してあげてください。
先導で注意するポイント②曲げるためのバンク(傾ける)をゆっくりしてあげましょう

ブレーキングが終わってカーブを曲がるための減速が終わったら、曲がるためにバイクを傾けます。
こちらも経験者は素早く一気に傾けたい、のですが、この動作も初心者の方はうまくはできず、傾ける動作そのものが怖いという人が多いと考えたほうがよいでしょう。
そのため余裕を持ちバンクさせる動作の区間を長めにとることを心がけてあげましょう。
バイクが走るカーブの回転半径も大きくなりがちですが、逆算してそれでも曲がれるくらいの速度にしておくのも大事。速度が速いと膨らんで、最悪対向車線にまで出てしまい、致命的な事故に直結します。
先導で注意するポイント③先導は先導のお役目に徹しましょう。

先導で走っている立場も、つい自分の腕を見せたくなるもので、最初こそゆっくりだったのが徐々にペースがあがってしまうケースは多いです。
特に親しい仲間であったりすると、最後にはまるでレースのようなペースになってたりすること、あったりしませんか?
するとブレーキは一気に減速する傾向になりがち。ついていく初心者は、十分な減速ができず速い速度のままカーブに進入していく傾向が強くなります。
また経験者ほど気持ちよく一気にバイクをバンクさせたい「誘惑」にかられます。後続の初心者は、そのタイミングで倒しこみを試みるのですが、当然それが不十分なので曲がり切れないことが考えられます。
そして複数台で走っている場合ですが、後方のバイクの方が速度をださないとついていけない現象がおきます。理屈はよくわからないのですが、先導はそれを見越した速度で走らなくてはいけません。つまり後続はプラス10〜20キロほど速く走ってると考えるべきなのです。
さらに走り始めてすぐはなんとか頑張れていたのが、時間がたつにつれて疲れ、集中力がなくなったり、たまたま通りがかったルートが走りにくかったりするとそこで破綻して大事故になるケースもあります。体力を考えずに長時間走らせず、厳しいコーナーが続くルートもあえて避けるようにしたほうが賢明でしょう。
初心者の方や久々に乗るリターンライダーの方と走るなら、このような事を十分考慮して、先導役が先導に徹して、丁寧に走る事を心がけてあげてください。
初心者側もどんなパーティーなのかを十分注意!
せっかくの楽しい時間が、わずかの配慮が足りないために暗転、親しい友人や家族を失うことは、過去から幾度も繰り返されてきた悲劇です。ベテランライダーほどそんな経験を大なり小なりをしてきているもので、だからこそ安全には厳しい人が多いといえるでしょう。
なのでバイクの世界に新たに入ってくる人、また戻ってきた人が安全に楽しく乗ることができるように、今現役のライダーが優しくサポートしてくださればと思います!
逆に、これからバイクに乗る人側も、一緒に走ってくれる人がそういった配慮をしてくれる人なのかは見抜く力を持ちましょう。くれぐれも無理をせず、なんか危なそうなにおいを感じたら一緒に走るのを中止する勇気も持つよう心がけていただければと思います。