メカニックブログビクトル・アロンソ選手の練習に2日間帯同させていただきました。

YZのFIマップ、セッティングのお手伝いに

ご縁があり、全日本モトクロスIA2にスペインからエントリーしているビクトル・アロンソ選手の練習に2日間帯同させていただきました。彼のジャージにはYSP大分のロゴが施されています。機会がありましたら、ぜひチェックしてみてください。彼の速さは聞いていましたが、実際に目の当たりにするとその走りの違いは明らかでした。

スクラブのキレが凄い

アロンソ選手は背が高く、体形は細めです。彼のパンツのサイズはなんと28だそうです。パドックにいるときは、一見、何の変哲もないほそっこい外国人の男の子に見えますが、彼が走り出すとその差は歴然。ジャンプのスクラブのキレ、軌道の低さによる寝かしこみが鋭く、通過速度が速いのです。他のライダーを彼と比べると、ジャンプの度に微妙に彼に遅れをとるような印象がありました。

一度走り出したら、中間でお父さんからのアドバイスを受ける等、一時停止することはありますが、それでも約1時間にわたって走り続けます。一般的な日本人の走行練習の方法では、リスクを避けるために適当に流しながら徐々にバイクのセッティングを煮詰めていくのが普通だと思いますが、アロンソ選手は練習中もずっとベストラップに近いところで走り続けるので、その体力は相当なものです。

過去には困難な経験も


また、ビクトル・アロンソ選手には興味深い背景があります。彼は子供のころ足の病気で約3年間、歩くことができず、松葉杖や車椅子を使用しながらの生活を強いられていたそうです。その期間、彼は水泳を続けていました。それも今の彼の体力のベースとなっているかもしれません。

その困難な経験を乗り越えて、今では世界レベルを目指すモトクロスの選手となったアロンソ選手。その過去の試練が彼の強い精神力と持ち前の体力を磨き上げ、今日の彼を形成したのかもしれません。彼の姿勢には、敬意を表します。

さらに驚くことに、彼はそのような激しい練習の後でも毎日約1時間ランニングに出かけます。世界レベルを目指す選手の姿勢と献身性に、改めて感銘を受けました。

バイクはほぼノーマルのYZ250F

アロンソ選手は、ヤマハのYZを駆るライダーです。彼はヤマハが大好きで、そのためにYZを選んで乗っています。現在、ランキングトップのライダーではありますが、他のヤマハライダーとは異なり、諸事情によりメーカーからのサポートはほぼ受けていません。彼のバイクは、信じられないかもしれませんが、サスを含めてほぼノーマルな仕様のYZです。

彼のバイクは、セクションごとの通過速度が速いため走行中の音が他のライダーよりもクリアで、一見するとチューニングされているように聞こえるかもしれませんが、それは純正のYZそのものです。

しかし、その純正バイクを駆って見せる彼の驚異的な速さは、私たち日本人もレースに取り組む姿勢を見習うべきだと感じさせます。ビクトル・アロンソ選手のような選手の存在は、我々すべてのライダーにとって大きな刺激と教訓を与えてくれます。

世界に通用する日本人が出てきてほしいというのが私たちの願いではありますが、この走りにしてあの努力。あらためて乗り越えるべき壁は低くはないと思いました。

★★★★

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