メンテナンス人もバイクも足腰が大事 フロントフォークのメンテナンスを

衝撃吸収だけでないサスの役割

(モトクロスはサスペンションへ高い性能が要求されるモータースポーツ)

バイクのサスペンションは、人間で言えば「足腰」にあたる大事なパーツです。

地面からの衝撃はまずはタイヤが、次にサスペンション(前側でいえばフロントフォーク)と伝わります。そこがうまく働かなかったらタイヤは跳ねてしまってせっかくのエンジンのパワーも地面に伝わりません。

また衝撃吸収のみならず、サスペンションは沈むことにより、タイヤにかかる「荷重(人間やバイクの重さ)」を調整します。例えばフロント側ならコーナーリングの時にはゆっくり沈み、フロントタイヤへの荷重をすぐに逃がさないようにするなどですね。

(タイヤのグリップはサスペンションの動きによるものが大きい)

それによってタイヤのグリップ力を100%よりさらに増大させることができます。その分は、よりよく曲がることができる、つまりサスがうまく機能する前提でバイクは作られているのです。

このように地味ながらもしっかりと仕事をしているのがサスペンション。

これは仕様により構造に違いはあるとはいえ、基本オイルの粘度(粘っこさ)などにより減衰力(ダンパーの抵抗)を出しています。

(劣化したフロントフォークオイル 色は金属粉で濁っている)

オイルが劣化すると何が悪いの?

・・・ということはオイルが劣化してあるべき粘度を保たなくなったとしたら、本来あるはずの性能がだせるはずがない、というのは想像がつくのではないでしょうか。

オイルが劣化するとどうなるのか、構造によって違いは多少ありますが、例えばSR400などはシンプルな構造なのでオイルの劣化が影響しがちな構造のサスペンションといえるかもしれません。

段差などを乗り越えたときの「沈んだり伸びたり」の振幅が収まりにくかったり、コーナーリングでフロントタイヤに荷重がのりにくかったりとなんとなく落ち着きのない乗り味になりがちです。

(SR400のサスは、原始的ともいえるシンプルなもの、オイルの性能に頼る事大)

それは大事なタイヤがグリップしにくい状況ができてしまうということです。困りますよね。つまりサスがへたると新車の時はもうひと曲がりできていたカーブが曲がれなくなったりということが考えられます。

オイルを交換することで、それが改善されるのですが、交換した後の変化については、ほとんどの人はその違いを実感するのではないでしょうか。

それは、徐々に劣化していくことについては、悪くなることに気づきにくいのですが、急によくなるとすごくよくなったように感じるからです。

なのでやった甲斐が実感しやすいのがフロントフォークオーバーホールかもしれません。

(インナ-チュ-ブに差し込んだオイル、ダストシール 写真はYZ250F)

オイルシールなどは同時交換がおすすめ

ある程度走行距離が伸びてきたならオーバーホールはおすすめです。

どうせならついでに、オイルシール、ダストシールも交換しましょう。これは経年劣化などからいずれオイル漏れが起きがちなパーツ、オイル交換した後でまたオイル漏れがあると同じ作業が必要になるのですね。

またメッキの施されているインナ-チュ-ブが錆びているといくらオイルシールが新品になったとしてもすぐにオイル漏れを引き起こします。その場合は交換か再メッキなどの処置をする必要があります。

(錆びたインナ-チュ-ブ。こうなると交換か再メッキが必要)

バイクによってお見積りが変化しがちなのがフロントフォーク

さて交換するといくらくらいかかるのかな、気になる人もいるのではないでしょうか?

サスペンションはその構造などによりお見積り金額が変わるので、一口にいくらくらいですとはお伝えしにくいパーツ。そのバイク個体の状態によっても必要なパーツが変わります。また使いたいオイルなどについてもご相談いただけます。

まずはYSP大分までお問合せください。